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社長兼工場長です。

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印刷について

1. 印刷物の種類~印刷産業~

2. 印刷用紙~カラー印刷~

印刷用紙

印刷には様々な紙が用いられています。
印刷の目的に応じて、いろいろな性質を持つ紙が製紙会社で作られます。

印刷用紙が持つ性質の代表的なものを挙げます。

平滑度

紙の平らさ、滑らかさを表します。
平滑度が高いほどインキがきれいに転写されやすくなり、仕上がりも美しくなります。

白色度

紙自体が「どれほど白いか」を表します。
紙の原料となるパルプは元来白色ではないため、出来上がりを白くするためには漂白するか、顔料を塗らなければなりません。
顔料を塗ったものを塗工紙、塗っていないものを非塗工紙と言います。

吸油度

紙が油を吸い込む力。
吸油性が高い紙に印刷をした場合、油性インキは紙に吸い込まれ、光 光沢が失われます。
逆に吸油性が無ければ、光沢はあっても印刷後乾きにくく、扱いづらいということになります。

強 度

輪転機での作業に耐えうる紙自体の強さ。

次に印刷用紙の種類と用途・材質を表にまとめました。

★非塗工紙

紙の種類

用途

材質など

上質紙
雑誌・単行本の本文用紙 ポスター 化学パルプ100%
中質紙
雑誌・文庫本・雑誌の本文用紙 化学パルプ70%~100%未満
上更紙
新聞  漫画雑誌 化学パルプ40%~70%未満
更紙
雑誌本文用紙 化学パルプ40%未満
グラビア用紙
雑誌のグラビア印刷 機械パルプを含有

★塗工紙

紙の種類
用途
材質など
アート紙

美術書 カレンダー

上質紙、または中質紙に顔料を
塗りつや出し機にかけ仕上げる
顔料の塗工量40g/㎡
コート紙
カラーチラシ DM (同上)
顔料の塗工量20g/㎡

上記表に示した印刷用紙の他にもクラフト紙・ロール紙のような包装用紙、段ボールのような板紙など様々な紙が必要に応じて用いられます。

カラー印刷

3原色図毎日のように届くDMや折り込みチラシなど、鮮明な写真やカラフルな美しいイラストが印刷されたものを目にすることは多いのではないでしょうか。

カラー印刷には、
シアン(Cyan):藍色 
マゼンタ(Magenta):紅色 
イエロー(Yellow):黄色 
ブラック(Black):黒色

の4色のインキ(プロセスセットインキ)が使用されています。

色の3原色に引き締める役割の黒を加え、4色それぞれの印刷原版を作り、4回刷り重ねることでカラー印刷がされるのです。

写真印刷

写真を印刷する場合、色の濃淡をつけることで鮮明さを再現しています。
数ある印刷方式の中でも、特に多用されているオフセット印刷方式では、モノクロ写真の明暗や、色彩を鮮明に印刷するため、小さな点を並べることで写真を再現しています。
この点(網点といいます)を一定の間隔で並べ、その網点の並んだ列が1インチ当たりいくつあるか、表される網点の細かさのことを線数と言います。
線数が大きい=網点が細かいほど、滑らかな画質の写真印刷が可能ということになります。
網点自体、写真の明るい箇所・暗い箇所によってその大きさ(直径)を変化させると、明暗の表現ができます。
明るくしたい箇所は網点を小さく、暗くしたい箇所は網点を大きくします。

印刷用紙との相性も重要です。
線数さえ大きければ、どんな用紙にもきれいな写真を印刷できるわけではありません。
紙の表面がザラザラ、目が粗い場合、インキがうまく転写されず、滑らかな印刷とはならず、目の粗い不鮮明な印刷となってしまいます。

印刷物・印刷用紙と線数の相関性については以下の通りです。

印刷物

線 数

新聞

~85線

書類・雑誌など

85線~133線

カタログ・雑誌のカラーページなど

133線~175線

高級美術印刷

175線~


印刷用紙

線 数

更紙

~85線

上質紙

85線~133線

コート紙

133線~175線

アート紙

175線~

縮小する印刷産業・デジタル化

印刷、印刷に関連する産業の総出荷額は、バブル崩壊後の景気低迷による受注の減少をきっかけに縮小の一途をたどっています。
その縮小の要因は一つではありません。
業界を取り巻くあらゆる環境が変化しています。

●大量生産・消費から多品種少量生産へ
オンデマンド印刷とは数十から数百部程度の即応可能な印刷を指します。
出版ニーズが多様化し、出版不況と言われる現代、出版社が在庫を抱えたり、返本のリスクを極力避けるためにも、大量印刷ではなく需要が生じる毎に(書店や販売店から注文が入るその都度)印刷をします。
ただし、あくまで数十~数百の印刷部数であるので、収益性という面でなかなか印刷の主流とはなりにくい面もあります。

●印刷工程のデジタル化
印刷工程を簡素化したものとしてDTPが挙げられます。
DTP(Desk Top Publishing)…直訳すると「卓上出版」
パソコンによるテキスト制作、組版、レイアウト、デザイン、図版、画像加工、集版、ページ面付け、デジタルイメージングを効率的、高速、高品位に制作するシステムのことを表しています。

DTPの普及により、パソコン上で印刷物が作れるようになったのです。
代表的なアプリケーションソフトに以下のものがあります。

イラストレーター(イラストや図版を作成)
フォトショップ(写真の色調を整え保存形成を変更するのに使用)
クオークエクスプレス(ページをレイアウト)

これらの登場により、これまでは印刷会社でしかできなかった文字組版・製版や多くの印刷工程は、
印刷会社以外の顧客やデザイナーが行うことが可能となりました。

●CTP(Computer to Plate)
コンピューターから直接刷版を印刷すること。
DTPには、印刷のためのフィルムを出力する出力機が必要になります。
今から20年ほど前にはフィルムを出力してから刷版に焼き付け印刷していたのですが、近年ではフィルムを出さずに直接刷版に紙面イメージを焼き付けてしまうことが可能になりました。
これをCTPと言います。
CTPを使うことにより、フィルムが不要になり資材コストの削減になり、製版工程の省略が可能になりました。

●海外へのシフト・海外からの参入
海外に印刷会社が進出するのには2つの動機が考えられます。

ⅰ 海外の安い労働力を求めて自ら進出する
近年大手印刷会社は主に中国・韓国・台湾などへ進出しています。
工場の用地確保や雇用の面で、印刷物を運ぶ輸送費を考慮してもコストが抑えられるからです。

ⅱ 海外シフトする企業に伴って現地向けの印刷物を製造する
電機メーカー等、海外進出している企業が、海外向けの製品のカタログやマニュアルなど印刷物まで一貫して現地で生産してしまうことが増え、そのようなメーカーとの関係を維持するため、同調して海外に進出する印刷会社もあります。

以上のように様々な要因から、日本国内における印刷産業の売上高は年々減少しています。
そもそも印刷業は受注して製造する、製造業でありかつ請負業であるという側面があります。
製品の生産量を主体的に決めることが難しいのです。
数千・数万部の書籍を大量に生産するためにはそれなりの設備が必要となります。
しかも設備投資したからには投資分を回収するだけの受注が必要です。
そのため極端な値引き競争に走ったり、過剰な設備投資をしたりと印刷業界の置かれる状況は非常に厳しいものになっています。

伸びる印刷会社とは

旧来の印刷業の業績が縮小の一途をたどる一方で、時代の変化にいち早く対応し、印刷物だけにとどまらず、業務を拡大する印刷会社もあるのです。
このような企業はどのようなポイントに重点を置いて、時代に即した業態の変化を成し遂げたのでしょうか。

顧客から見て「何をしてくれる会社か」はっきりとしたイメージを持ってもらうには、印刷に関わる工程のすべてを無難にこなすだけでは、「他に頼んでも同じ」になってしまいます。
「あの会社でないと出来ないこと」に特化するのです。

≪何に特化するのか、ソフト特化・ハード特化の面から考えていきましょう。≫

■ソフト特化
従来の印刷業は静止画、つまりは情報を静止した画面という形にして顧客に提供しています。
しかし、現在においては、動画や音声などの情報を、パソコンや携帯電話などの情報端末を介して、発信する側と受信する側のコミュニケーションをとることも容易になりました。電子ペーパーやPDFカタログ、QRコードなどデジタルメディアを新たなビジネスチャンスと考える印刷会社もあります。
これらデジタルメディアの制作のために、ソフト関連技術者・プログラマー・Webデザイナーを積極的に採用・育成し新規事業を立ち上げています。
これらの分野の売り上げは、印刷業界においてはまだ決して大きくはありませんが、今後成長する可能性を充分持っています。

■ハード特化
ソフト特化は従来の「印刷」とは全く別の作業を要する事業であるのに対し、ハード特化という観点からは、印刷技術において「他社が真似できない商品の開発」が挙げられます。
いくつか例をあげましょう。

特殊印刷加工
上質紙など一般的な印刷用紙ではなく、フィルムやアルミ蒸着紙、ホログラムぺーパーなど新しい特殊素材に、コーティングを施し印刷します。
さらには2次印刷として、UVニスコーティングやスクリーン印刷、3D印刷、メタリック印刷、エンボス印刷、蓄光インキ・香料インキ印刷などをします。
そして後加工として、インデックス加工や箔押し、型抜き、穴あけ、ミシン目入れなどを加えます。

バリアブル印刷
印刷機械とコンピューターを連動させ、コンピューター内のデータをもとに送付する相手ごとに個別の印刷物を印刷すること。各顧客のデータをもとに、それぞれの年齢や職業、その他属性に合わせた商品などの情報を印刷し、送付することができます。金融機関をはじめ、通販会社などでも利用価値が見込めます。

両面印刷
片面を刷って、乾燥させて、もう一方の面を印刷する…のやり方ではなく同時に両面を印刷することが可能な印刷機が導入されています。これによって、作業人員や作業時間の削減や低コスト・短時間での納品が可能になります。

多色プロセス印刷
カラー印刷の基本、4色(シアン:藍色、マゼンタ:紅色、イエロー:黄色、ブラック:黒色)のインクを用いた印刷では再現しきれない色を表現するため、基本の4色に特別なインキを組み合わせる手法があります。

・4色に3色(赤色、草色、紺色)を加える 7色印刷
・4色に2色(緑色・オレンジ色または紺色・オレンジ色)を加える 6色印刷

以上のような高付加価値印刷とよばれる技術、「ここにしかできないこと」を持つ会社は強いのです。
これらの専門性の高い業務にだけ集中して取り組むことで、過剰な設備投資や人員の配置が抑えられます。

印刷業+付加価値ビジネス

単に顧客から注文された印刷物を印刷・加工し、提供するだけの旧来の業務に収まらず、長年にわたる印刷会社と顧客企業の信頼関係を生かし、顧客企業にさらなる利益をもたらす仕組みや戦略を提案することが、印刷物自体が減少の一途をたどる印刷業界の新しいビジネスとして浸透し始めています。
そこで大切にしたいのが、営業力の強化・マーケティング戦略です。

マーケティング戦略
マーケティングとは…個人や組織の目標を満足させるやり取りを実現するために、アイディア・製品・サービスのコンセプト・価格・プロモーション・流通を計画・実行するサービスです。

マーケティング戦略は様々な面からアプローチすることができます。
一つの側面だけでは完全とは言えません。
ここに印刷業界が長年蓄積してきた技術やシステムを提供し、顧客の利益につなげる。結果自身の利益にもつながるのです。

4つの視点からの戦略

製品(Product)戦略…  売れる商品をどうやって作るか
価格(Price)戦略…  どの程度の価格であれば売れるか
流通(Place)戦略…  どのようにしたら商品の流通、取引決済がスムーズに行われるか
販促(Promotion)戦略…  消費者が商品に興味を持ち、購入するにはどうしたらよいか


マーケティングの他にも事業プロデュース企画提案

編集制作
印刷・加工
納品・発送

結果分析
に至るまであらゆる面からのサービスを提供することを「ワンストップサービス」と言います。
ただ、印刷会社だけでこれらすべてのサービスを完全にすることは難しいでしょう。
マーケティングプランナー・Webデザイナーや物流業者など各種専門業者との協力がこのビジネスには欠かせないのです。

環境問題と印刷

印刷は印刷機などの機械を動かすためのエネルギー、用紙、インキなどたくさんの資源を消費しています。
そして廃棄物も大量に発生させています。
印刷業だけに限って考えなければならない、という問題ではありませんが、資源を有効に活用し、環境にやさしい印刷技術が求められています。

■印刷用紙
トイレットペーパー・段ボール・包装紙…紙と言っても印刷用紙だけではありませんが、紙の生産量からみると印刷用紙・新聞紙はかなりの割合を占めています。
紙の材料となる木材パルプを産出するため、森林伐採がされています。
このまま伐採だけが行われていくと、近い将来資源は枯渇してしまいます。

■古紙利用・再生紙
地球温暖化などの環境問題を考えると、森林資源の保護のため、日本でも再生紙へのシフトは積極的に進められてきました。
が、近年新興国での紙の需要が高まったことにより、古紙への需要が高まっていること、再生紙が使用されて古紙となり、また再生される…というリサイクルシステムが確立された結果、古紙の質が下がるなどの問題が発生し、再生紙の活用にも限界が生じています。
この結果、現在では古紙100%使用の再生紙ではなく、古紙使用を7割程度までに抑え、パルプで残りを補完した再生紙が作られています。

■森林認証紙
適切な管理をされた森林から産出される木材チップから作られるパルプを用いて作られた紙のことを指します。
適切な管理をしていることを認証する機関(FSC・PEFCなど)のアルファベット文字をつけて「FSC森林認証紙」として、雑誌など出版物に使用されることが増えてきました。
古紙を再生する過程は、化石エネルギーの使用・二酸化炭素の排出という環境負荷が大きいという問題があり、限りある資源として適切に管理・保全された森林から産出される資源を活用する方が環境保護の面から有効であるとの認識が高まっています。

印刷技術の面から

水なし印刷
通常の印刷で版を作る際には大量のアルカリ現像廃液が排出されています。
印刷時にも毒性のある湿し水が使われているのです。

水なし印刷はこれらの廃液が出ない、かつ湿し水も必要としない印刷技術です。
そもそも、印刷物の品質や生産性の向上のため、開発されたのですが、環境保護の面からみても有益であると考えられます。

インキについて

★大豆油インキ
従来型のインキはその成分の大半を石油系の溶剤が占め、その石油系溶剤から発生するVOC(揮発性有機化合物)は環境を破壊する原因の一つとなっていました。
そこでこの石油系溶剤を植物性でかつ再生可能な大豆油に変え、作られたインキが大豆インキです。現在従来のインキに代わり、普及しつつあります。

★ノンVOCインキ
名前の通り、インキ中の石油系溶剤をすべて植物系溶剤に置き換え、VOCの発生をゼロにおさえたインクです。

以上のように環境保護に対応可能な印刷技術や用紙、インキなどは開発が進んでいるのですが、コストが従来のものよりかかるなどの課題がすべて解消されているわけではありません。
早いうちに問題が解消され、取り入れやすい技術や資材となることが期待されています。

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